社内電話帳を配る前に決めることが1つあります。何を載せるかです。
あとから項目を足すのは簡単ですが、消すのは面倒です。一度配ると全社員の端末にコピーが行き渡り、端末のバックアップ(iCloudやGoogleアカウント)にも残ることがあります。最初に決めておくほど、あとが楽になります。
載せる項目は6つで足ります
| 項目 | 入れる値 | なぜ要るか |
|---|---|---|
| 氏名 | 姓と名を分けて | 着信時に表示される。必須 |
| フリガナ | セイとメイを分けて | 日本語では実質必須。無いと五十音順に並ばず、検索も効きにくい |
| 所属 | 会社名と部署 | 同姓同名の判別。異動のときに直す対象でもある |
| 役職 | 部長・課長など | 急ぎの連絡先を選ぶときの判断材料。任意 |
| 電話番号 | 携帯と会社の番号を別々の欄に | 着信表示の主役。1つの欄に2つ入れると発信できない |
| メール | 会社のアドレス | スマホからそのまま送れる |
メモ欄は空けておくことを勧めます。メモは全社員の端末に同期されます。「この人は○○が苦手」といった内輪の書き込みが、退職者の端末に残り続けることになりかねません。
載せないほうがよいもの
判断の基準は「業務の連絡に要るか」だけです。要らないものを載せると、配った瞬間に全社員へ配布されます。
- 自宅の住所・自宅の電話番号(緊急連絡網として必要なら、別の仕組みで、本人の同意を取ったうえで管理します)
- 生年月日・家族構成
- 私用のSNSアカウントや私用のメールアドレス
- 人事に関する情報(評価・資格・給与など)
個人の携帯番号を載せるかどうかは、先に決めて周知してください。会社支給の端末なら問題になりにくいのですが、私物の番号を全社員に配ることになる場合は、本人の同意が要ります。「載せたくない人は申し出る」という運用にしておくと、あとで揉めません。
何をどこまで載せるかは、運用のルールとセットで決まります。社内電話帳を安全に運用する設定チェックリストに、導入時に決める項目をまとめています。
あとで効いてくる3つの設計ミス
1. フリガナを入れない
日本語の連絡先は、フリガナが無いと並び順が崩れます。「山田」が「あ行」に混ざったり、漢字の読みで検索できなかったりします。あとから全件に足すのは、最初に入れる手間の何倍もかかります。
2. 氏名の欄に部署を書く
「山田太郎(営業部)」のような書き方はしないでください。着信時にそのまま表示されて読みにくく、異動のたびに氏名を書き換えることになります。部署は部署の欄に入れておけば、異動時にそこだけ直せば済みます。
3. 1つの欄に電話番号を2つ入れる
「090-0000-0000/内線123」のようにまとめて入れると、タップしても発信できません。携帯と会社の番号は必ず別の欄に分けます。
迷いやすいところ
| 迷うところ | 考え方 |
|---|---|
| 顔写真を載せるか | 最初は無しで始めて構いません。あとからサーバー側で足せます。人数が多いと、用意と更新の手間が無視できません |
| 兼務している人の部署 | 部署の欄は1つなので、主たる部署を入れます。「営業部にも配りたい」はグループで表現します |
| 派遣・業務委託の人 | グループを分けておくと、契約終了時にまとめて外せます |
| 退職者 | 残しません。サーバー側で消せば全員の端末から消えます(退職者のスマホから社内の連絡先を消す方法) |
他のシステムから移すときの対応表
kintoneやGoogleコンタクト、人事システムから名簿を持ってくる場合、列の名前はばらばらでも、最終的にはvCardの決まった項目に収まります。どの列をどこへ入れるかの対応です。
| 載せる項目 | vCardでの名前 | 備考 |
|---|---|---|
| 氏名 | N / FN | 姓と名を分けて持つ(N)。表示名(FN)は自動で作られる |
| フリガナ | X-PHONETIC-LAST-NAMEX-PHONETIC-FIRST-NAME | iPhoneの並び順はここを見ている |
| 会社名・部署 | ORG | 「会社名;部署」の形で1つの項目に入る |
| 役職 | TITLE | |
| 携帯電話 | TEL;TYPE=CELL | 着信表示に使われる |
| 会社の電話 | TEL;TYPE=WORK | 内線はこちらか、メモに |
| メール | EMAIL;TYPE=WORK | |
| メモ | NOTE | 全社員の端末に同期される |
| グループ | CATEGORIES | iPhoneでは「リスト」として見える |
この表に収まらない列は、基本的に載せないと判断して構いません。社内電話帳は「連絡するための最小限」で足ります。
決めたら、この順で進みます
- 載せる項目を決める(この記事)
- Excelの名簿をvCard形式に変換する(ブラウザだけで完結します)
- サーバーに取り込んで、各自のスマホに同期する
そもそもどの方式で配るかを決めていない場合は、社内電話帳の作り方4パターン比較から読んでください。端末ごとに何を使うかはCardDAVに対応した連絡先アプリ一覧にあります。
まとめ
- 載せるのは6項目で足ります。氏名・フリガナ・所属・役職・電話・メール
- フリガナは最初に入れる。あとから全件に足すのは大変です
- メモ欄は空けておく。全社員の端末に同期されます
- 私物の携帯番号を載せるなら、本人の同意を先に取る
- 部署は部署の欄に。氏名に混ぜると異動のたびに書き直しになります
あわせて読みたい
ExcelのCSVをvCard(.vcf)に変換する方法|ブラウザだけで完結する無料ツール付き
決めた項目のまま、変換までこのページで終わります。
Nextcloudをレンタルサーバーにインストールして社内電話帳を作る全手順
配る側の仕組みを用意する手順。画像16枚。
社内電話帳を安全に運用する設定チェックリスト
導入時に決める7項目と、運用中に見る3項目。
退職者のスマホから社内の連絡先を消す方法
配ったあとに消せる仕組みかどうかが、ここで効いてきます。