Excelで作った社員名簿を、そのままiPhoneの連絡先に入れることはできません。
iPhoneが読めるのはvCard(.vcf)という形式だけだからです。
この記事では、ExcelのCSVをvCardに変換する方法を解説します。ページ内に変換ツールを置いてあるので、ソフトのインストールは不要です。
このツールはファイルをどこにも送信しません。変換はすべてお使いのブラウザの中で完結します。社員の氏名と電話番号という、外に出してはいけないデータを扱うためです。心配な場合は、ページを開いたまま通信を切って試してください。それでも動きます。
なぜCSVのままでは連絡先に入らないのか
CSVは「表」の形式で、どの列が名前でどの列が電話番号かという決まりがありません。一方vCardは連絡先そのものを表す形式で、「これは姓」「これは携帯電話」という意味が最初から決まっています。
スマートフォンの連絡先アプリはvCardを読む前提で作られているため、CSVをvCardに翻訳してあげる必要があるわけです。
| CSV | vCard(.vcf) | |
|---|---|---|
| 中身 | 表(行と列) | 連絡先1件ずつの情報 |
| 列の意味 | 決まっていない | 決まっている(N=氏名、TEL=電話…) |
| iPhoneの連絡先 | 読めない | 読める |
| Googleコンタクト | 読める | 読める |
| Nextcloudの連絡先 | 読めない | 読める |
CSV → vCard 変換ツール
変換はすべてこのページの中(お使いのブラウザ内)で行われます。 ファイルは当サイトを含むどのサーバーにも送信されません。 社員の氏名と電話番号を扱うため、この設計にしています。 通信を切った状態でも動作します。
Excelで「CSV UTF-8」「CSV」どちらで保存したものでも読み込めます。
CSVの列と、連絡先の項目を対応させてください(自動で推測済み。違っていれば変えてください)。
変換結果を先に確認する(先頭1件)
使い方
- CSVファイルを選ぶ(Excelで「名前を付けて保存」→ CSV形式)
- 列の対応を確認する(見出しから自動で推測します。違っていれば選び直してください)
- ダウンロードを押す →
contacts.vcfが保存されます
Excelの「CSV UTF-8」「CSV(カンマ区切り)」どちらで保存したものでも読み込めます。文字コードは自動で判別します。
CSVはどう作ればいいか
1行目に見出し、2行目以降にデータを入れてください。列の順番は自由で、要らない列は省いて構いません。
氏名,フリガナ,会社名,部署,役職,携帯電話,会社電話,メール,メモ,グループ
山田 太郎,ヤマダ タロウ,株式会社サンプル,営業部,課長,090-1111-2222,03-0000-0000,yamada@example.co.jp,直通あり,営業
佐藤 花子,サトウ ハナコ,株式会社サンプル,開発部,,080-3333-4444,,sato@example.co.jp,,開発
- 氏名は「姓 名」のようにスペースで区切ると、姓と名に分けて取り込めます(全角スペースでも構いません)。姓と名が別々の列になっていても対応します
- フリガナを入れると、iPhoneで五十音順に並びます。日本語の連絡先ではこれが無いと並び順が崩れるので、できるだけ入れてください
- グループは
;で区切って複数指定できます(例:営業;管理職) - 会社名の列が無い場合は、ツールの「会社名を一括で設定」に入力すれば全員に同じ会社名が入ります
見出しの名前は自由です。「携帯」「携帯番号」「Mobile」「TEL」など、よくある書き方は自動で推測します。推測が外れたら手で選び直せます。
変換したvCardの使い道
1. iPhoneに直接入れる
contacts.vcf を自分宛にメールで送り、iPhoneで添付ファイルを開いて「すべての連絡先を追加」を選びます。AirDropでも同じことができます。
2. Googleコンタクトに入れる
Googleコンタクト の「インポート」から取り込めます。Androidを使っている場合や、Google Workspaceを契約している場合はこちらが早いです。
一度に3,000件を超える場合は、CSVを分けてから変換してください。Google側の制限で、それ以上は一度に取り込めません。
3. Nextcloudに入れて、全社員のスマホに自動配信する
社内電話帳として運用するなら、これが本命です。
Nextcloudの連絡先アプリに取り込んでおくと、CardDAVという仕組みで全社員のスマホに自動同期されます。管理画面で1回直せば、全員の端末が勝手に最新になります。
構築手順はNextcloudをレンタルサーバーにインストールして社内電話帳を作る全手順で、画面キャプチャ16枚つきで解説しています。
うまくいかないとき
文字化けする
このツールはUTF-8とShift_JISを自動判別します。読み込み後に「文字コード Shift_JIS」などと表示されるので、そこで名前が正しく見えていれば変換結果も正しいと考えて構いません。
それでも崩れる場合は、Excelで「CSV UTF-8(コンマ区切り)」を選んで保存し直してください。
フリガナが反映されない
フリガナはvCardの標準仕様ではなく、Appleの拡張(X-PHONETIC-LAST-NAME)として書き出しています。iPhoneとMacでは反映されますが、Androidの標準連絡先アプリでは読み飛ばされることがあります。
グループが作られない
グループは CATEGORIES というタグとして書き出しています。iPhoneに直接インポートした場合、このタグから「リスト」が自動で作られるわけではありません。
部署ごとのリストをスマホに配りたい場合は、Nextcloud経由での配信を検討してください。Nextcloud側で作ったグループは、iPhoneの連絡先で「リスト」として表示されます。
変換されない行がある
氏名(または姓・名)と会社名がどちらも空の行は、連絡先として成立しないため飛ばしています。件数が合わないときは、空行や小計行が混ざっていないか確認してください。
一括登録だけでは解決しないこと
vCardを配れば、その時点の名簿は全員のスマホに入ります。ですが、問題はその後です。
- 人が増えるたびに、また全員に配り直す必要がある
- 誰が取り込んで誰が取り込んでいないか、把握できない
- 古い連絡先が端末に残り続ける
- 退職者の連絡先を消せない(一度配ったファイルは回収できない)
これは「配る」方式の限界で、ファイル形式を変えても解決しません。
サーバー側に電話帳を1つ置いて、各端末がそこを見に行く形にすれば全部解決します。その仕組みがCardDAVです。管理画面で消せば、端末からも消えます。