社内電話帳をNextcloudで作ろうとするとき、成否はサーバー選びでほぼ決まります。

選び方を間違えると、SSH接続してコマンドを打ち、データベースを作り、権限を設定する作業が必要になります。正しく選べば、クリックだけで終わります。

判断軸は「cPanelがあるか」ではありません。「アプリインストーラーが載っているか」です。
よく「cPanel搭載機を選べ」と書かれていますが、これは正確ではありません。cPanelに載るインストーラーは製品によって異なり、逆にcPanelでなくてもインストーラーを積んでいるサーバーがあります(コアサーバー、One レンタルサーバーなど)。

アプリインストーラーとは

サーバーの管理画面に付いている「アプリのストア」のようなものです。WordPressやNextcloudを一覧から選んで、ボタンを押すだけで導入できます。

主な製品は2つあります。

  • Installatron … カラフルボックス、コアサーバーなどが採用
  • Softaculous … mixhost などが採用
  • 独自のインストーラー … One レンタルサーバー(cPanelではなく独自の管理画面)

どちらでもNextcloudは入りますが、画面と名称が違うので、記事を読むときは自分のサーバーがどちらか確認してください。

Installatronのアプリ一覧からNextcloudを選ぶ画面
Installatronの画面。一覧からNextcloudを選ぶだけ

主要レンタルサーバーの対応状況

サーバーアプリ
インストーラー
Nextcloud最安月額
(税込)
当サイトの検証
カラフルボックス BOX1Installatronワンクリック528円✅ 構築して確認
One レンタルサーバー ベーシック独自ワンクリック680円インストールまで確認
初期ドメインは証明書エラー
コアサーバー CORE-XInstallatronワンクリック430円公式マニュアルあり(未検証)
mixhost ライトSoftaculousワンクリック495円公式の対応一覧に記載(未検証)
エックスサーバー スタンダードなし手動インストール990円—
ConoHa WING ベーシックなし手動インストール678円—
さくらのレンタルサーバ スタンダードなし手動インストール500円—
ロリポップ! ライトなし手動インストール330円—
2026年9月時点の各社公式サイト記載。いずれも最長契約(36ヶ月前後)の初回割引適用時の月額。契約期間が短いほど月額は上がる。

One レンタルサーバーは、cPanelが無くてもNextcloudが入る例です。管理画面はcPanelではなく独自のものですが、「アプリインストール」にNextcloudがあり、当サイトでインストールが完了するところまで確認しました(2026年9月・Nextcloud 34.0.4)。データベースは自動で作られ、データは公開ディレクトリの外に置かれます。
ただし初期ドメイン(〜.oners.jp)は自己署名の証明書で、ブラウザに警告が出ます。社内電話帳に使うには独自ドメインと無料SSLの設定が必要で、そこから先(スマホとの同期)は未検証です。

「最安プラン」を選ぶと動かないことがあります。たとえばさくらのレンタルサーバのライト(121円)はデータベースが使えず、WordPressも動きません。Nextcloudも同様に動きません。
NextcloudにはMySQLまたはMariaDBが必須なので、各社とも「データベースが使えるプラン」から選んでください。さくらの場合はスタンダード(500円)以上になります。

「アプリインストーラーが無い=動かない」ではありません。手動でインストールすれば動きます。違うのはかかる手間と、つまずいたときの復旧のしやすさです。詳しくはエックスサーバー・さくら・ロリポップでNextcloudは動くかにまとめました。

ワンクリックで入る2社の違い

カラフルボックス BOX1コアサーバー CORE-X
月額(36ヶ月・税込)528円430円
月額(12ヶ月・税込)638円610円
SSD容量200GB500GB(NVMe)
メモリ割当記載なし6GB
初期費用無料(3ヶ月以上の契約)1,650円(ドメイン同時申込で無料)
無料お試し30日間—
インストーラーInstallatronInstallatron
当サイトの検証実際に構築して確認済み公式マニュアルを確認(未構築)

容量とスペックはコアサーバーが上です。容量は2.5倍、月額も約100円安い。正直に書いておきます。

ただし総額で見ると、短期間では逆転します。コアサーバーには初期費用1,650円があるためです。

カラフルボックス BOX1コアサーバー CORE-X
初期費用0円(3ヶ月以上の契約)1,650円
(ドメイン同時申込で無料)
1年間の総額6,336円6,810円
2年間の総額12,672円11,970円
3年間の総額19,008円17,130円
いずれも36ヶ月契約時の月額(税込)で計算。2026年9月時点。

コアサーバーが安くなるのは17ヶ月目からです。月額の差98円で初期費用1,650円を回収するのに、それだけかかります。
ただしドメインも同時に取るなら初期費用は無料になるので、その場合は最初からコアサーバーのほうが安くなります。

それでも当サイトがカラフルボックスを先に挙げているのは、実際に構築して動くところまで確認したのがこちらだからです。社内電話帳は業務で使うものなので、「たぶん動く」ではなく「動いた記録がある」ほうを先に紹介しています。

30日間の無料お試しがあるのも判断材料です。契約を決める前に構築まで試せます。

カラフルボックスを30日間無料で試す →

Oneレンタルサーバーに実際に入れてみた

2026年9月、15日間の無料お試しで実際にNextcloudを入れました。cPanelではない独自の管理画面ですが、フォーム1枚・数分・エラーなしで完了しました。

Oneレンタルサーバーのプランと契約期間の選択画面
ベーシックは3年契約で月680円(税込)。15日間の無料お試しから始められる

申し込みはクレジットカードの登録なしで完了しますが、携帯電話番号でのSMS認証は必須です。開通まで数分でした。

Oneレンタルサーバーのサーバーパネルにあるアプリケーション管理の画面
サーバーパネル →「アプリケーション」→「アプリケーション管理」→「アプリインストール」
アプリインストールの選択肢にNextcloudがある画面
選べるアプリはMediawiki・Magento・Nextcloudの3つ
Nextcloudを選んだときの入力画面。バージョンは34.0.4
Nextcloud 34.0.4。データベースは自動で作られ、データは公開ディレクトリの外に置かれる
インストール完了後の一覧にNextcloudが並んだ画面
数分で一覧に並ぶ。ここから管理画面にログインできる

ただし、初期ドメインのままでは使えません

付与される初期ドメイン(〜.oners.jp)は自己署名の証明書で、ブラウザに証明書の警告が出ます。

Oneレンタルサーバーの初期ドメインで出た証明書の警告
この状態ではiPhoneやAndroidの同期でも警告が出る

社内電話帳に使うなら、独自ドメイン(またはサブドメイン)と無料SSLの設定が必要です。当サイトの検証はインストールが完了するところまでで、SSLの設定とスマホとの同期は確認していません。同期まで確認できているのはカラフルボックスだけです。

項目内容(2026年9月・実機で確認)
月額(税込)ベーシック 3年680円/1年1,280円/3ヶ月1,680円
初期費用0円
無料お試し15日間。カード登録なし・SMS認証は必須
Nextcloudワンクリック(独自のインストーラー)。バージョンは34.0.4
データの置き場所公開ディレクトリの外(Webから直接読まれにくい)
初期ドメイン自己署名証明書。独自ドメイン+無料SSLが要る
当サイトの検証インストール完了まで。同期は未検証

リンク先はバリュードメインのドメイン登録ページです。レンタルサーバーの申し込みは、上部メニューの「レンタルサーバー」→「Oneレンタルサーバー」から進めます。ドメインとサーバーを同時に申し込むとドメイン料金が無料になる特典も出ています(2026年9月時点)。

バリュードメイン(Oneの提供元)を見る →

社内電話帳の用途では容量もスペックもほぼ関係ない

ここは正直に書いておきます。連絡先データは1件あたり数百バイト程度です。社員1,000人分入れても数MBにしかなりません。

200GBでも500GBでも、電話帳用途では一生使い切りません。容量が効いてくるのは、同じサーバーでファイル共有も始めた場合です。

  • 電話帳だけなら … どのプランでも足りる。最安で問題ない
  • ファイル共有も載せるなら … 容量とメモリが効いてくる
  • 社内Wikiやカレンダーも … Nextcloudは同じ料金内で全部使える

社内電話帳をきっかけに社内クラウドへ広げていく想定があるなら、最初から容量に余裕のあるプランを選んでおくほうが結果的に安く済みます。

必要なスペックの目安

Nextcloudの公式ドキュメントが挙げている要件のうち、レンタルサーバーを選ぶときに確認すべきなのは次の3つです。

項目要件確認のしかた
PHPバージョン8.3以上(最新版の場合)管理画面でPHPを切り替えられるか。古いバージョンしか選べないサーバーは避ける
データベースMySQL または MariaDBほぼすべての共用サーバーで使える
メモリ512MB以上を推奨(最小128MB)共用サーバーは上限が決まっていることがある。PHPの memory_limit を確認

Nextcloudのバージョンによって必要なPHPが変わります。アプリインストーラーから入れる場合は、そのサーバーのPHPで動くバージョンが自動で選ばれるので、ここで悩む必要はありません。当サイトの検証時はPHP 8.2.29でNextcloud 32.0.0が入りました。

もう1つの軸:預け先としての信頼性

ここまでは「導入の手軽さ」で比べてきました。ですが社内電話帳には社員全員の氏名と携帯番号が入ります。稟議や監査で「どこに置いたのか」を説明する必要がある会社では、別の軸が必要になります。

エックスサーバーカラフルボックス/コアサーバー
ISMS(ISO/IEC 27001)取得公式サイトに記載を確認できず
プライバシーマーク取得同上
運営実績2003年〜/導入25万社—
メールサポート24時間365日受付平日日中のみのことが多い
Nextcloudの導入手動(サポート対象外)ワンクリック

「手軽さ」と「説明しやすさ」は、今のところ両立しません。アプリインストーラーを積んでいるサーバーは認証の取得状況を公開しておらず、認証を持っているサーバーはアプリインストーラーを積んでいない。

社内電話帳を置くサーバーの選び方|社員の個人情報を預ける先として何を見るかで、この軸を詳しく比較しています。稟議を通す必要がある方はこちらを先に読んでください。

結論

  • 判断軸は「アプリインストーラーがあるか」。cPanelの有無ではない
  • インストーラー搭載機なら、クリックだけで終わる(カラフルボックス/コアサーバー)
  • 非搭載機でも動くが、手動インストールの手間がかかる
  • 電話帳用途では容量もスペックもほぼ関係ない。最安プランで足りる
  • 稟議や監査で説明が必要なら、認証を取得しているサーバーを選ぶ(詳しくはこちら)

サーバーを決めたら、画面キャプチャ16枚つきの構築手順をそのままなぞれば30分で完成します。

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※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。料金・仕様は2026年9月時点の各社公式サイトの記載に基づきます。最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。

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