社内電話帳の作り方は、大きく4パターンあります。

どれが正解かは会社の規模と事情で変わります。ここではそれぞれの限界がどこにあるかを先に示します。限界を知らずに選ぶと、1年後に作り直すことになるからです。

① Excel配布② Google共有③ SaaS④ 自前サーバー
初期費用0円0円0円0円
月額0円1人あたり1人あたり月500円台(定額)
人数が増えると手間が増えるコスト増コスト増変わらない
スマホの連絡先に出る取り込めば△(専用アプリ内)◎ 標準アプリに出る
着信時に名前が出る取り込めば×〜△
更新の反映配り直し自動自動自動
退職者の削除不可
構築の手間なし30分程度

① Excelを配る

多くの会社がこれです。費用はかかりませんが、手間が人数に比例して増えます。

  • 入退社のたびに「Excel更新 → PDF化 → 全社メール」
  • そして誰も見ない。結局「○○さんの番号教えて」と内線が鳴る
  • 一度配ったファイルは回収できない

最大の問題は退職者対応です。社員の携帯番号が入ったファイルが、辞めた人の私物PCやスマホに残り続けます。詳しくは退職者のスマホから社内の連絡先を消す方法にまとめました。

② Google Workspace / Microsoft 365 で共有する

すでに契約しているなら、まずこれを検討すると思います。ですが、社内電話帳の用途では期待したほど機能しません。

どちらにも会社の住所録(グローバルアドレス一覧/ディレクトリ)はありますが、それは各社のアプリの中にあるもので、スマホの標準「連絡先」アプリには入りません。つまり着信時に名前が出ません。

これを解決するための「アドレス帳同期サービス」という商品が複数の会社から売られています。標準機能で足りているなら、そんな商品は存在しないはずです。

詳しくはTeams・Google Workspaceで全社の電話帳をスマホに配れない理由で解説しています。

③ 社内電話帳SaaSを契約する

PHONE APPLI PEOPLEなどの専用サービスです。構築の手間がゼロなのが最大の利点で、組織図や顔写真、プレゼンス表示などの機能も付きます。

ただし料金は1人あたりの月額です。社員が増えるほど、電話帳のための固定費が増え続けます。

人数が多く、電話帳以外の機能も使うならSaaSが妥当です。数十人規模で、やりたいことが「連絡先をスマホに配る」だけなら、費用対効果は合いにくくなります。

④ レンタルサーバーに自前で立てる

月額500円台のレンタルサーバーにNextcloudを入れ、CardDAVで全社員のスマホに自動同期させる方法です。

  • 人数無制限・定額。100人でも1,000人でもサーバー代は同じ
  • iPhoneは標準機能だけで繋がる(アプリ不要)
  • 着信時に名前と部署が出る
  • 管理画面で1件直せば全員の端末が自動で最新になる
  • 退職者はサーバー側で消せば端末からも消える
  • 同じ料金でファイル共有・カレンダー・チャットも使える
Nextcloudの連絡先アプリで管理する社内電話帳
管理画面はこれ。ここを直すと全社員のスマホに反映される

弱点は最初に30分ほどの構築作業が必要なことです。ただしアプリインストーラーを積んだサーバーを選べば、コマンド操作は一度も要りません。

実際の画面16枚つきの手順はこちら。サーバー選びはNextcloudが動くレンタルサーバーはどれかにまとめています。


どう選ぶか

こういう場合おすすめ
社員10人以下で、入退社がほとんどない① Excelでも回る(ただし退職者対応は要検討)
組織図や顔写真、在席状況まで使いたい③ SaaS
数十人〜数百人で、電話帳を配りたいだけ④ 自前サーバー(コストが人数に比例しない)
IT予算が通らない/情シスが1人④ 自前サーバー(月500円台で稟議が要らない)
社内のファイル共有やカレンダーも整えたい④ 自前サーバー(同じ料金で全部入る)

「電話帳のためだけに人数課金を払い続けるか」が分かれ目です。社員50人でSaaSを使うと年間20万円前後かかりますが、自前サーバーなら年間6,000円台です。

あわせて読みたい

Nextcloudで社内電話帳を作る全手順
④を選ぶ場合の手順。画像16枚・所要30分。

Nextcloudが動くレンタルサーバーはどれか
サーバー選びの判断軸と主要7社の対応状況。

CardDAVとは
なぜ自前サーバーだと更新が自動で反映されるのか。